2018年11月7日水曜日

桐たんすの洗濯

こんにちは、店長の塩谷です。

このブログで何度か家具の修理のご紹介をしていますが、今回は桐たんすの修理のご紹介です。
西尾市のS様よりのご相談。お嬢様のご結婚に際し、新生活の準備を進めていて、新しい家具も揃えられます。そこに、曾祖母様の使っていらっしゃった桐たんすをきれいにして、使えるようにしてほしいとのこと。
しばらく使っていなかったそうですが、長い年月を経て積もったほこりで全体にくすんでしまった様子。また、背板や引出の底板に割れや隙間もできていました。しかし、大きな傷みはなく、非常に良い状態で保管されていました。



今回は、昔からお付き合いいただいてる家具職人さんに、修理を依頼しました。桐たんすの修理は一般には『洗濯』いわれます。使用している金具などを全部外したあと、実際にお湯でまるごと汚れを洗い落します。割れてできた隙間には埋め木をほどこし隙間を塞ぎます。鉋で削り出しをし、うづくりで目出しという作業をすると、美しい木目が出ます。全体の砥の粉(とのこ)で仕上げ。金具はなくなったり、破損したりしたものはなく、オリジナルの物がすべてそろっていたので、磨きなおして、元のとおりはめ込みます。


こうして、すっかりきれいになった桐たんすを先日お客様宅へ納めて参りました。

お客様の人生の節目に、家具のお世話を通じて携わらせていただき、本当に嬉しく思います。

S様、どうぞ末永くお幸せに。